Cameron Systermans
経験こそ、未知を拓く鍵。
絆を育み、実を結ぶ。
お客様の資金をお預かりして運用する。その責任は重大です。でも、利点を出すためにしなければならないことは意外と明確なんです。営業ありきの日本の業界は、顧客の運用ニーズを軽視しがちです。いろいろな運用のニーズがあるのに、それにあったものを作れる会社が残念ながらとても少ない。マーサーの強みは、ソリューションモデルをカスタマイズしたり、ケースによってはゼロからテーラーメイドできることです。だからこそ、日々のニュースを読み解きマーケットの動きを把握しながら、幅広くリサーチして有用なデータを集める。お客様にお伝えする資産運用のポートフォリオは、するべきことの小さな積み重ねから得られる盤石な構えなのです。
一番大事なのは、お客様の考えを理解すること。僕はちょっとおしゃべりな外国人なので、言いたいことをぐっと堪えてまず、耳を傾けます。正直、日本人は細かいなあと思うことはありますよ。でも、信頼関係ができるまでは相手のペースに合わせます。妻が日本人で、商店街があるような雑多な庶民の街が好きなので、ご近所付き合いもよくする方ですが、本音で言い合える仲になるまでには時間がかかるものです。それでも、相手の気持ちに寄り添うようにこちらから正直に接すれば、だんだんと良心を見せてくれるようになります。心が開けば、絆は固い。そこが日本人の良いところ。コミュニケーションに関しては、普段の暮らしから学んだことも多いですね。
要した時間よりも重視しているのは、結果です。短時間でも結果が出せればOK。優先順位を決めて、やらなくて良いことはやらない。子供が産まれたので育休もとりましたし、有給も使います。マーサーは仕事の本質がわかっている、実と理に適った良い会社です。日本人の働き方も最近随分変わってきましたよね。利点がわかれば、今すべきことが見えてくる。資産運用も同じ。本質を見抜けるかどうかが、鍵なんです。
みんなの幸せ、のレシピ。
精神的にはタフです。批判されてもまったく気になりませんから。15歳の時にメルボルンのボーディングスクールで自己改革したんです。正確に言うと"改革された”ですね。ボーディングスクールは、学業のみならず礼儀や規律、自立心やコミュニケーション能力も養う全寮制の寄宿学校で、ヨーロッパにも名門校がありますが、私が入った学校は人里離れた山の中。かつてチャールズ皇太子も通われた由緒ある伝統校なのですが、実態はまるでアウトドア。テレビも電話もなく、携帯電話も禁止。お湯も出ないから薪で火を起こす。週末は山の中にテントを張って寝る。近くの牧場や農場で力仕事をさせられることも。ちょっと太めの坊やでしたが、たった1年で劇的に体重が減って心も強くなりました。がんばれば、何でもできる。仲間たちと助け合いながら、成せば成る。自ら切り開いていくチャレンジ精神が培われました。客観性と独自性を持って、いかなる局面でも全力を尽くす。決して自分を見失わない。リアルな成功体験が今に繋がっているんです。
人は時々、失敗します。誰かに影響されて、道を踏み外してしまうこともあります。だから、善き人だけを手本にして悪しき人の真似は絶対にしない。生きていく上で大切にしているシンプルな信条です。それでも失敗した時は、繰り返さないように自己分析する。劇的に変えられなくても、少しずつチューニングすればいい。立てた目標に固執して、大事なことを忘れてしまわないように、公私のバランスを取る時間も必要だと思います。仕事でも私生活でも、大切だと思う人の幸せはそのまま自分に返ってきますから。