Masanao Asai
次へ踏み出す、自分への挑戦。
才を尽くし、未来に備える。
年金コンサルティングのコンサルタントは、アクチュアリーという資格を取得します。不確定要素の多い将来において、望まない出来事が起こってしまう確率を予測し、事前の備えをすると同時に実際に起こってしまった出来事の影響を最小限に抑える。そういう術を持つスペシャリストがアクチュアリーです。関連する幅広い分野の最新情報を把握し、お客様が抱える課題や千差万別のニーズに対して、あらゆるアプローチでアドバイスします。特に年金アクチュアリーの業務は、基本的には人対人。経済的かつ精神的なお客様の負担をどれだけ減らせるかは、その人と密接に関わらなければ見えてきません。
道半ば、ここからが本番。
なぜ、このような仕事に就いたのか。振り返ると、挫折した経験が脳裏に蘇ります。学生時代は負けず嫌いで、何でも理詰めで考えるタイプでした。ニーチェを愛読し、哲学者や数学者に憧れるようなインテリ思考もあって。他の学生たちに負けたくない一心で数学に没頭し、眠りについても夜中に突然飛び起きて、また数式をいじり出すという不健康な日々が続いていました。それでも何かすごいことを成し遂げられる気でいたのですが、実際の着地点は自分が思っていたよりも下だった。絶望と敗北感に苛まれましたね。一方で、具体的な将来設計もなく、そういう状態で数学を続けたら、いつか本当に死んでしまうかもしれないとも思いました。だったら軌道修正するしかないと、頭を切り替えたんです。走り出したら、止まらない。気になるところは、突き詰めたい。その性格は変えられそうもないので、着地点を見定めれば良いのだと気付いたことが未来に繋がる分岐点になりました。プロジェクトも、最適と思われる所に着地させることが大事ですから。そういう意味では、持てる能力とメンタリティを今の仕事に活かせていると思います。
ランニングが趣味なんです。4年ほど前からマーサーの仲間たちと走り始めました。フルマラソンの大会にも出ますが、1500mぐらいの中距離が性に合っているようで。アマチュア大会の壮年の部に出場すると、ゴールと同時に全員がぜぇぜぇと息を切らして倒れこむんですよ。走った日はすっきり良く眠れますし、オーバーヒートしがちな頭をリセットする効果もあります。抱えている仕事は複雑かつエンドレスで、着地点を見出すのもひと苦労ですが、その点、ランニングはわかりやすい。目指すべきは自己記録の更新ですから、他者よりもまず自分に打ち勝つことが肝心。健全かつ単純明快な走るという行為によって、無意識に自己管理しているのかもしれませんね。