ミッションは、日本国内の多国籍企業に対して、M&Aにおける人事問題や経営課題を解決すること。国を跨いだプロジェクトなので、海外出張が多くなることもあります。金曜の夜に出動要請を受けて、休日に飛行機に飛び乗るようなスクランブル発進もあります。現地に着いて週明けすぐに交渉を開始し、翌週には契約締結という慌ただしい展開も珍しくはありません。必要とされれば、世界中、すぐに何処へでも駆けつけます。常に臨戦態勢と言えますね。所属するグローバルM&Aコンサルティング部門では、新たな案件が発生すると、24時間以内に世界中から精鋭のコンサルタントが集結し、グローバルチームが結成されます。その仕組みは案外単純なんです。どの国にどんな人がいて得意分野は何か。必要な人材と能力を把握できれば、それに応じたメンバーの目星はつく。拠点やフィールドが違っても、いざという時に阿吽の呼吸で動けるのは、マーサーというチームの一員としての自覚とメンバーだけが共有できる信頼感があるからです。
買収契約締結の交渉の現場は、映画で観るシーンよりスリリングです。動く金額も莫大ですし、各々の会社の命運がかかっているわけですから、ディールチームの方々や弁護士たちが膝を突き合わせて丁々発止する場面に立ち合うこともあります。双方の言い分が合致せず、暗礁に乗り上げる度に、代案を提示して話し合ったり、それを延々と繰り返し、結局、成立しなかったということもあります。ならば、勝ち負けがすべてなのか?というと、そうでもありません。案件ごとにそれぞれ譲れない部分がありますから、クライアントさんにとって良い終わり方であることが何より大事。チームとしては、やり終えた時の安堵感と達成感が成功の証なんです。