マーサー、「キャリア自律に関する意識調査 2022」を発表
2022年10月26日
キャリア自律度が高い層(キャリアを自己選択し、キャリアの構築を自身の責任と考える人材)の割合は11%にとどまる
- キャリア自律が高い層は、高いエンゲージメント・パフォーマンス、他社で活躍できる実感を有し、結果としての相対的に高い報酬を得る傾向にある
- キャリア自律が高い層を惹きつける上では、理念・パーパスへの共感や達成感のある仕事と成長機会が有効
- キャリア自律を高める上で有効なものは、上司のコミュニケーションや社員にキャリア機会を提示し支援する仕組み
組織・人事、福利厚生・ウェルビーイング、資産運用のグローバルリーダー、マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO 草鹿 泰士)は、同社初となる日本のビジネスパーソンを対象とした「キャリア自律に関する意識調査 2022」(以下、本調査)の結果を発表した。
本調査は、近年日本企業が進める人材マネジメント改革である「ジョブ型雇用」に重要なビジネスパーソンのキャリア自律をテーマにしている。ジョブ型雇用とは、「会社が提示する事業戦略上必要なジョブに対して会社と個人が合意の上、個人はそれを遂行し、会社はそれに見合った報酬を提供する取引ベースでの雇用関係」である。その前提として、ビジネスパーソン個人が自身のキャリアを選択し、構築に責任を持つ、すなわちキャリア自律することが求められる。
調査を通じて、キャリア自律が高い層の特徴、キャリア自律を高める、キャリア自律が高い層を惹きつけるための施策等について、企業経営の視点から分析している。また、ビジネスパーソン個人にとってのキャリア自律を高めることの意義も考察している。
マーサージャパン組織・人事変革コンサルティング部門プリンシパルの金井恭太郎は、本調査結果について次のように述べている。
「VUCA時代に企業価値を高める上では、キャリア自律した社員を生み出すことが一つの鍵となります。企業は、定期的な状況把握を通じて社員のキャリア自律の状態を理解し、その促進に向けてタイムリーに手を打つことが求められています。このような不断の努力が、現在世界の資本市場で求められる人的資本への投資・開示を通じた企業の競争力強化につながり、ひいては政府が推進する労働市場改革、円滑な労働移動の促進を通じた、日本全体の生産性向上にもつながっていくのではないでしょうか」
調査結果ハイライト
- 従業員100人以上の民間企業・官公庁に勤める20~50歳代の正社員・正職員、3,646名が対象
- キャリア自律度が高い層(キャリアを自己選択し、キャリアの構築を自身の責任と考える人材)の割合は11%にとどまる
- キャリア自律度の高い人材は、企画・マーケティング、インターネット・ゲーム、士業等専門職に出現する割合が高い
- キャリア自律度の高い人材は、転職未経験者と比較して、転職経験者に出現する割合が高い
- キャリア自律が高い層は、高いエンゲージメント・パフォーマンス、他社で活躍できる実感を有する
- 主な個人属性を揃え、キャリア自律度の高い層/低い層の平均年収を比較すると、前者は平均年収が744万円、後者が689万円、差分は+8%(55万円)
- キャリア自律度が高い社員は、会社の理念・パーパスへの共感、達成感のある仕事や成長機会を求め、キャリア自律度が低い社員は雇用の安定性、働く仲間との関係性を求める。(ワークライフバランスや、報酬水準はキャリア自律度に関わらず求めている)
- キャリア自律を高める上で有効なもの:
- ソフト施策:上司のビジョン・戦略共有や丁寧なコミュニケーションとフィードバック
- ハード施策:キャリア機会の公開や拡張(ポジション公開、副業)、能力・キャリア開発支援
【調査概要】
・調査期間: 2022年7月29日~2022年8月2日
・調査機関(調査主体): マーサージャパン株式会社
・調査対象: 従業員100人以上の民間企業・官公庁に勤める20~50歳代の正社員・正職員
・有効回答数(サンプル数): 3,646件
・調査方法: オンラインサーベイを実施