情報通信(日系)専門領域 x グレード毎の役割明確化 - JD導入事例⑥
専門領域 x グレード毎の役割明確化
1. ジョブディスクリプション導入の背景と、導入目的について教えてください (プロジェクト概要)
A社様では、従来は自社がもつ製品・サービスが競争優位の源泉であり、総合職を新卒中心で採用し、職種を跨いだゼネラルローテーションで育成することで自社固有のノウハウ蓄積に重きを置いていました。しかし、テクノロジーのオープン化が進み差異化の源泉が顧客接点に移る中、個々の社員の専門性向上が不可欠になってきていました。また、デジタル人材等の高度専門人材の中途採用も重要度が増していました。
そのような中、社員の自律的な専門性向上に資する人事制度構築を検討されており、専門領域を定義したうえで、専門領域別のグレード定義を作成することとしました。
2. ジョブディスクリプション作成のアプローチや展開方法についてお聞かせください
重視したのは社員が市場価値を意識することです。A社様では長い期間運用してきた職能資格制度の影響で、社員は社内の階段を上ることに注力する傾向にありました。しかし、それではこれからの時代に競争力の源泉となる人材は育ちません。
マーサーのソリューションを活用して、市場で取引される職種の区分、レベル感に基づジョブディスクリプションのベースを作成したうえで、検討を進めることとしました。
3. ジョブディスクリプション作成における苦労や工夫されたポイントを教えてください
部長層以上の上位専門職については、市場で取引される職種が少なくなります。しかし、これまで内部公平性を重視した運用をしてきたため、社員はどの職種についても、平等に上位レベルに専門職が存在することを求める傾向にありました。
今後A社様内で詳細を検討予定ですが、上位の専門職については、雛形・カタログに頼らず、個別に職務内容を精査、職務評価をしたうえで作成するアプローチが適しているのではと考えています。
4. マーサーを選んでいただいた理由や評価いただいた点を教えてください
1点目は、市場との接続性です。市場で実際に取引されている職種の区分、レベル感を反映出来る点を評価いただきました。
2点目は、導入のスピードと費用感です。ジョブディスクリプションは、ラインマネージャーと部下が内容に合意する、ラインマネージャーと経営・人事がその職務の役割の大きさに合意することが重要であり、最終化は丁寧なコミュニケーションを通じてお客様内部で行う方針でした。
しかし、お客様だけではコミュニケーションを行う上での土台作りは難しく、マーサーを通してスピーディーに費用対効果高く整えられる点がポイントだと認識しています。
3点目として、将来的な展開を見据えたA社様内において重要なハイテク系の報酬データが充実している点も評価いただいた点とうかがっています。
5. 今後の活用計画や展開の予定について教えてください
今後は、A社様内で内部のコミュニケーションを行いつつ、ジョブディスクリプションの最終化を予定されています。
また、ジョブ型人事制度の導入を予定していますので、その中でも活用を予定されており、将来的には職種別の報酬体系の検討も実施される予定とうかがっています。
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