2024年ピープルリスクレポート  

組織が競争力を維持できるのは、適切なスキル、才能、リーダーシップを持ち合わせている人を採用し、育成することができる場合のみです。しかし、それと同様に重要なのは、より繫栄し生産性を促進するために、従業員のニーズを確実に満たすことでしょう。

リーダーシップは、従業員のニーズを認識し、エンゲージメントと忠誠心を刺激し、人生の重要な瞬間や会社の危機の瞬間を通じて従業員をサポートする行動を起こす必要があります。これら行動は信頼を醸成し、リスクマネジメントの文化を支える上で極めて重要です。

従業員の健康と安全性は、ピープルリスクの課題の定番ですが、組織は職場でのウェルビーイングを定義する範囲を広げなければなりません。

自殺、紛争、燃え尽き症候群が悪い方向に向かう中、心理的な健康や感情的なウェルビーイングは、リスクを軽減するという点で、身体的な安全性と同等の認識を求められるようになっています。

雇用主は、従業員の健康面でのサポートを促進し、従来の医療制度のギャップを埋めるという、他にはない機会をもっています。

福利厚生費に対するインフレ圧力が続く中、組織は直ちに福利厚生プログラムの変更を計画しなければなりません。根本的なリスクを管理し、従業員が常に良好な状態を保てるよう集中し続けることは、請求コストの管理に役立ちます。

より広範なピープルリスクに関連することとして、さまざまな地域で利害関係者の監視、訴訟、 l立法活動が活発化していることから、 ガバナンス・ギャップの発生を特定し、先手を打つことが極めて重要です。 

環境リスクは従来、財産に関するものと解釈されてきましたが、異常気象や自然災害が従業員とその家族の健康や福祉に与える壊滅的な影響の可能性は、差し迫った脅威です。

生活費危機などの問題は、 この10年間、多くの従業員の苦難をさらに深刻なものにしてきました。役員と従業員の報酬と 価値観の格差の拡大は、職場のダイナミクスや労使関係に影響を与えています。