プライベートマーケットにおけるインパクト投資

ご投資家様のインパクト目標を定義し、潜在的な財務リターンと社会的・環境的なインパクトのバランスを取りながら、プライベート市場における投資機会が得られるよう支援します。

インパクト投資を通じて世界の喫緊の課題に取り組む

プライベートマーケットにおけるインパクト投資は、サステナブル投資の中でも急速に拡大している分野です。特に、より良いリターンを求めながら、社会や環境に対する現実的な成果を創出したいと考える投資家にとって、重要な役割を果たしています。グローバルな課題への取り組みとポートフォリオを連動させることで、投資を意図的かつ強力なツールとして活用し、ポジティブな変化をもたらします。

インパクト投資に関する3つの考慮事項

  1. 意図的な投資
    具体的なインパクト目標を決定することにより、投資機会を絞り込み、投資家のニーズに最も適している戦略やマネージャーを特定することができます。また、インパクト投資の目標や計画を明確にし、報告を行っていくことで、ステークホルダーにも取り組みを共有し、安心感を与えることができます。
  2. 追加性の実現
    「追加性」とは、投資しなければ発生しなかったであろう社会的または環境的な利益を示します。例えば、再生可能エネルギーの供給を増やすこと、またはより多くの人々が金融サービスにアクセスし貧困から抜け出すことを目指すことなどが挙げられます。世界にどのような影響を与えたいのか明確な目標を設定することがインパクト投資を開始する第一歩となります。
  3. 規制とコンプライアンス
    各国の規制当局や政府が持続可能な投資に関する新たな要件を設定しており、投資家に向けられる目は厳しくなっています。インパクト投資戦略がうまく機能すれば、これらの要件を満たすことができます。

主なインパクト投資のテーマ

気候変動危機を緩和するためには、エネルギー源の変更、エネルギー効率の改善、インフラの強化、地球温暖化の影響に対する物理的な回復力の向上など、多くの分野への投資が必要です。 世界中の投資家は、こうした幅広い目標に対応した戦略へ転換する必要性に迫られています。

このテーマは、天然資源の保護に焦点を当てた産業や企業を対象としています。廃棄物処理、リサイクルなど、廃棄物を可能な限り出さない循環型モデルを推進し、重要な資源を大切にする豊かな経済を実現します。

手頃な価格の住宅、清潔な水や食品などの生活必需品へのアクセスは、健康なコミュニティの基盤です。この分野で行われるインパクト投資には、基本的なニーズだけでなく、金融ウェルビーイング、デジタルインクルージョン、持続可能な交通といった近年重要性が増加しつつある課題も含まれています。これらの分野への投資は、貧困撲滅に大きく貢献できます。

教育や健康は人権として認められていますが、世界人口の大部分にとっては、まだ手の届かないものなのです。ウェルビーイングとエンパワーメントに重点を置き、これらの分野への投資や、あらゆる形態のインクルージョンと公平性の推進も行っています。具体的なイニシアチブには、女子教育の支援、母体救命医療の推進、恵まれない環境にある次世代の起業家の成功に必要なスキルの習得など、さまざまな取り組みを行っています。

プライベート市場におけるインパクト投資機会の特定

多くの場合、インパクト投資は、プライベートエクイティ、インフラ、不動産、天然資源、プライベートデットと関連づけられます。このため投資家は、ポートフォリオを補完する資産クラスを選択することができます。また、プライベートエクイティひとつとってもても、 ベンチャーキャピタルからバイアウトまで、幅広い機会を提供します。ベンチャーおよびグロースステージ投資では、革新的な技術やビジネスモデルを応用し、伝統的な産業分野での変革や新しい製品やサービスの創造を目指します。
  • プライベートエクイティによる影響

    このアセットクラスのインパクトテーマには、循環型経済、エネルギー効率、環境支援、廃棄物管理、食料、農業技術、教育、金融サービスへのアクセスなどがあります。
  • インフラストラクチャーのインパクト投資

    インフラへの投資機会としては、再生可能エネルギーや代替エネルギー、インフラのフィジカルセキュリティソリューション、持続可能な輸送手段、水技術などがあります。
  • 不動産のインパクト投資

    不動産へのインパクト投資は、社会的または手頃な価格の住宅や、グリーンまたはエネルギー効率の高い建物から恩恵を受けることができるコミュニティへの投資などがあります。
  • プライベートデットのインパクト投資

    プライベートデットにおけるインパクトの機会は、マイクロファイナンスからグリーンボンド、ソーシャルボンドまで多岐にわたり、一部の金融機関は、融資契約書にESG配慮やインパクト目標に関連した金融インセンティブを盛り込んでいます。

インパクトの計測手法

インパクトの計測は、インパクト投資戦略の重要な要素です。インパクトを信頼性の高い方法で測定することで、ステークホルダーや規制当局に報告することが可能になります。お客様のポートフォリオやアプローチに合わせたインパクト指標の特定と、レポーティング作成を支援します。

インパクトレポーティングは、目標の達成度合いを確認し、必要に応じて軌道修正に向けたアクションを取るために不可欠です。また、効果的なレポーティングによって、真のインパクト戦略と、巧妙なマーケティングによって作られたもの(「グリーンウォッシュ」とも呼ばれる)を区別することができます。

インパクト投資ポートフォリオ全体を明確に把握することで、マネージャーに責任を持たせ、ESG目標に向けた進捗状況を把握することができます。

インパクトの評価指標は確実に進歩していますが、グローバルで統一された評価指標はまだありません。このため、手法に相違が生じる可能性があります。

マーサーは、インパクトマネジメントプロジェクトの「インパクトの5つの基本要素」と一致する、投資先企業または資産レベルでの報告を推奨します。このフレームワークは、マネージャーが明確なインパクト創出の意図を持ち、詳細な計測手法を採用しているという信頼感を与えます。

投資家の所在国や地域によっては、受益者、利害関係者、規制当局のために定期的に報告書を発行することが求められる場合があります。しかしながら多くの場合、投資先のマネージャーは、それぞれの戦略や投資先企業に合わせた独自の手法や計測方法を用いてインパクトを報告します。そのため、ポートフォリオ全体のインパクトを整合性がある形でまとめるには専門性とリソースが必要となります。

インパクト投資でマーサーが選ばれる理由

真のインパクト投資の実装は簡単ではありませんが、 実現可能です。マーサーは、グローバルなスケール、幅広いマネージャーリサーチ、プライベートマーケットや広範な投資における幅広い経験を活用し、ご投資家様がインパクトテーマを特定し、投資機会を発掘してポートフォリオに統合し、進捗状況を報告・モニタリングするお手伝いをします。

アドバイスが欲しいというご投資家様から マーサーの投資ソリューションプラットフォームを通じて運用管理をしてほしいというご投資家様まで、ごニーズに合わせて柔軟に対応します。マーサーにできること:

  1. インパクトテーマを定義する
    ご投資家様が真のインパクトを与えたいものが何かを特定し、ポートフォリオにどのような影響をもたらすかの定義付けから支援します。
  2. マネージャーの発掘とアクセス
    マーサーは、世界中の何百ものマネージャーと強い信頼関係を築いており、適切なスキルセットと真のインパクトをもたらす機会を持つマネージャーの特定を支援します。
  3. 適切なバランスを見つける
    マーサーは、可能であればどちらかを犠牲にすることなく、リターンを生み出すこととインパクトを加速させることの最適なバランスを評価し、見つけるお手伝いをします。
  4. 進捗報告
    また、グリーンウォッシュを回避するために、進捗状況のモニタリングと報告を支援します。

関連トピック

関連提供サービス
    関連インサイト